視聴率に関する都合の良い真実と不都合な真実。
テレビはもはやオワコンなのか。というときによく使われる指標と言えば、何といっても、視聴率。
視聴率の定義をおさらいしておこう(wikipediaより)。
視聴率(しちょうりつ)は、あるテレビ番組をその地区のテレビ所有世帯のうち何パーセントが視聴したかを表す推定値であり、一つの指標である。視聴率には個人視聴率と世帯視聴率があるが、一般的に視聴率といえば世帯視聴率のことを指す。
視聴率の測定は基本的に、モニター世帯に設置されるテレビに接続した専用の機器から得られるデータを基にしている。地域や調査内容によっては、日記式のアンケートによる調査を行っているものもある。
「視聴率」はその時刻に「テレビの電源が入っていた世帯からの割合」で測るものではなく、「調査対象世帯全体に対する割合」である。例えば、100世帯がテレビ視聴率計測の対象だったとした場合、そのうちの「1世帯がテレビをつけていた状態」とする。しかし、「残りの99世帯がテレビを消していた状態」の場合、つけていた1世帯が視聴していた番組の視聴率は100パーセントではなく、1パーセントとなる。電源が入っていた世帯からの割合で測る場合は、それぞれの局の割合を「番組視聴占拠率」と呼ぶ。
"平均視聴率"は毎分0秒の時の視聴率(瞬間視聴率)の平均で求められており、一番組中で最も高かった瞬間視聴率をマスコミ用語で"瞬間最高視聴率"として考慮することもある。
なお瞬間視聴率、瞬間最高視聴率という言葉はマスコミによる造語[2]で、「ビデオリサーチ」ではそれぞれ毎分視聴率、毎分視聴率の最高値という。
視聴率というものを調査する意義は、大きく分けて
- 各種番組の視聴率から、国民の関心の高さを探る
- 視聴率の移り変わりから社会の動きを知る
- テレビの媒体力や広告効果のひとつの指標として提示することで、利用スポンサーに対して広告料をもらう根拠とできる
といったものがある。
ざっくりと言えば、イメージ通りだったろうか。
ここからはタイトルに触れたとおり、真逆の2つの真実を述べておこう。
都合の良い真実
「視聴率5%」
この数字をどう捉えるだろうか。
もちろん、時間帯によっても大きく異なるだろうが、ゴールデン(19-22時)の番組ならかなりの低視聴率だろう。
では、視聴率5%の番組は一体、どれくらいの人が見ているのか。
全国ネットの番組だと、「視聴率1%≒視聴者100万人」と言われている。
でも、これはテレビ局側の言い分なので、少し盛りすぎな気がするが、2割差し引いても、「視聴率1%≒視聴者80万人」。
つまり、視聴率5%の番組は約400万人の視聴者がいるとされるのだ。
では、youtuberで最も再生回数を稼いでいるであろうHIKAKINの動画の再生回数はというと、大体50-100万回。もちろん、同等には比較できないだろうが、視聴率に直すなら、およそ1%ほど。
ゴールデンでかなりの低視聴率でも、日本で一番有名なyoutuberの動画の再生回数を優に超える。これが、未だにテレビの人気があることを証明する”都合の良い”真実である。
不都合な真実
では、それだけの人が見ているのにテレビの話題が全然出てこなかったりするのは何故だろうか。
それは、視聴率の定義にある。もう一度、要点だけ引用する。
視聴率(しちょうりつ)は、あるテレビ番組をその地区のテレビ所有世帯のうち何パーセントが視聴したかを表す推定値であり…(中略)…一般的に視聴率といえば世帯視聴率のことを指す。
まず、視聴率を測る際に、テレビを持っていない世帯は含まれないこと。
例えば、ある地域には200世帯あったとして、50世帯が、テレビを持っておらず、150世帯がテレビを持っているとして、視聴率10%の番組は、20世帯が視聴していたことを示すのではなく、15世帯が視聴していたことを示すのだ。ということ。
そして、視聴率は世帯視聴率であるということ。
つまり、家族や友人でも、自分と同棲している人がテレビを見ていれば、その世帯はその番組を視聴していた。ということになる。たとえ、自分が見ていなくとも。
だから、この視聴率は想像以上に狭い範囲での調査なのだ。
(と、なると上で述べた、視聴率1%の定義もぶれそうな気はするが…とりあえず、言及しないことにする。)